6/20 DIRTY HEAT PARTY part.3 中村達也+勝井祐二+森岡賢+KENKEN @六本木 superdeluxe
20日の土曜日、六本木 superdeluxeで開催された、ROVOのヴァイオリニスト勝井さん・もはや説明不要のドラマー中村達也さんのおふたりによる「DIRTY HEAT PARTY」と名づけられたセッション企画、part.3に行ってきました。
part.1のあまりの面白さに、2、3と皆勤賞で観に行っているこの企画。part.1では、ディジュリドゥー奏者のGOMAさんも参加されていましたが、part.2以降は、SOFTBALLETのキーボード&ダンサー担当森岡賢さん、そして、前3人とはふたまわりも年が離れている、RIZEのスーパーベーシスト、KENKENの4名で行われています。名前を並べただけでも「おおっ!」と反応してしまう奏者4人が集まっているだけあって、毎回大盛況。今回も、椅子も立ち見もぎっしり満員御礼です(失礼ながら、ここまで満員なスーパーデラックスって、珍しい)。その期待に答えるかのように、毎回最高の内容を繰り広げてくれるので、今回もさらなる期待が高まります。
ちなみに、今、企画者二人関連のバンドに夢中で、世界で一番好きだったバンドがソフバ(2年限定復活期間)だったわたしにとっては、夢のようなメンバーだったりします。
以下、とっても自由な感想を書き連ねます。
ダーーーーーーーーーティ!ダーティ!フォー!!!!ユードンストップ!ボディトゥボおっと失礼しました。
あまりにも楽しかった余韻が。こんなに幸せで圧倒される夜はあったかなあ。今年の、最高だよライブ・トップ3には入ること早くも大大大大確定。普段、即興のライブを見に行っても、「スゴイ」「ヤバイ」だけになってしまい感想を書き残すことが出来なかったのだけれども、今回のライブを前にしてはそんなことさえ関係なくなります。2日経ってもあの音と光景、ここでしか飲めないうまいビール、東京エールの味さえもよみがえって笑いがこみ上がってくる。
サイッコーでした!!スゴすぎた!ヤバすぎた!!
楽しかった!!!!!!!
4人がステージに出てきて、定位置につかぬまま、ドラム前に立った達也さんがいきなり全身全霊で叩きはじめる。ノリノリニコニコで絡んでゆくベースのKENKEN、そこにダンサブルなシンセの色を加える森岡さん、その様子をじっと見、しばらくして勝井さんがヴァイオリンを構える。4人の音がかさなった瞬間、自分の頭の中も一気に覚醒するような感覚になる。客席圧倒・呆然・の後・準備運動する間もなくダンス・ダンス・ダンス。座っている人も立っている人も途端に踊りだすマジック。4人の息が、いきなりぴったりって、なんなのか?前回・前々回を凌ぐ勢いで、惜しげもなくスタートからメーター振り切れんばかりの演奏。最初からクライマックス!
えっ、これ、決まった曲じゃないの?ってくらい展開があって、各奏者の見せ場がある。でも決まった曲だったら、こんなに面白い演奏にはならないんだよなあ〜。それまで激しくかき鳴らしていたヴァイオリンが、弦を爪弾きだすと急に色づけ役に変化するんだ!とか、いきなりドラムンベース対決になって腹にドコドコ音圧くらってみたり、ピアノソロがあって聞き惚れたり。でも基本的にはロック&ダンスで人力トランス、踊らぬスキはございません。
うーん、不思議だ、なぜあんなに、違う楽器同士でユニゾンできたり、要所要所でびしーっとキマるのだろう?(この疑問は昔ZAZENBOYSを観た時も思ったな、あの感覚…)ごく自然なアイコンタクトと、音だけで意思疎通をはかっている。音で会話してる!って感動するような場面もある。この4人は、自分の脳と楽器が直結してる、楽器が体の一部とかそういう類の人たちよねえ。と思うしかない。ちょっと圧倒的に格好良すぎやしませんか。
凄まじい演奏だけれど、ステージは本当に楽しそうでリラックスしていて、だからこそ息ぴったりな演奏が出来るのかな。1曲終わって、達也さんがせっせとごっつい黒のスニーカーを脱いでいると、かわいらしいみずたま模様の靴下が突如登場して客席が一気になごんだり(笑)
ドラムスティックを握り、「今日はKORN(バンド)の!」とKENKENとわいわい話し出すと、勝井さんが「…コーン?ずっとコーンって言ってるから材質のことかと思った!」とツッコんでみたり。森岡さんが急に爆音でシンセを鳴らしてしまって「ごめんっ」とはにかむと、全員が笑ってのけぞったり。こっちも見てて楽しい〜。そうそう、MC中もオーバーアクションしたり、演奏中も、達也さんやケンケンと笑顔で演奏していたり、普段はクールな勝井さんのこんな姿観られることって、他では絶対ないからえらいことですよ。
面白かった場面、思い出せる限り。森岡さんがアップライトピアノの内部にマイクをぶつけて打楽器のような音を出し、ケンケンはスチール製のタイコとカウベルを鳴らし、達也さんも金物でしゃららん打楽器対決。勝井さんは弦を爪弾きはじめ、なんだか民族調の音になる場面とか。ケンケンと達也さんのドラムベース対決はとにかくファンキーで、心の底から楽しそう。iPhoneのノイズツール?を、ベースの弦にかざしてキメポーズしたりとか、カオスパッドできゅいーんシュイーンいわせていたりとか、毎回ケンケンの自由さとプレイの凄さには吃驚させられます。長い髪を振り乱して豪快なステップで演奏する姿がめちゃくちゃカッコイイ!
今回、森岡さんのピアノ・シンセきっかけの曲が多かったのが、とてもよかった。アナログシンセのぶりぶり低音と、ケンケンのスラップ、絶妙なタイミングで入ってゆく達也さんのドラムで、超ダンサブルな展開がヤバイ!そこに乗る勝井さんのヴァイオリンがまた良いのです。
そして "モリケンといえばあの姿" を知っている人間にとっては、前回・前々回での姿は、納得いかないほど大人しかったはずなんだけど、ついに、3回目にして、スイッチオンしてしまいましたよ、アレ。押してくれたのは他3人。
壁に背をもたれて休憩する達也さんが、森岡さんに向かってドウゾ、と手を差し出す。他2人もじっと見つめて待機したその時、ひかえめだった森岡さんの目がきらりと輝いた……人差し指を口に当て、ポーズしながらマイク片手にセクシーボイスアンドシャウトアンド吐息!クネクネ糸巻きダンス!投げキッス!ケンチャン・オン・ステージ!!もうね、キターって感じでした。こんな姿ソフバ時代以来ですもん!達也さんとケンケンが爆笑しながら演奏していて、隣でいきなり動き始めたくねくねさんに勝井さんがちょっと怯んでいて(しかも勝井さんのマイクを使う賢ちゃん)もう、その光景がひたすら笑えて楽しすぎました。その後、森岡さんくねくねキーボーディストっぷり全開。みなさん、これが彼の本性です(笑)。
最後。アンコールで、歓声とともに達也さんがドラムをぶっ叩き始め、勝井さんが弓をかざし声を張り上げて「踊りたい人は、立っていいよ!」と。その言葉で、いままで座っていた前方のお客さんが総立ちで踊り始めたんだ それがもう壮観だった たしか前回も、メンバーの誰かが言っていたのだけれど、その時は立ったお客さんもまばらだったし、ちょっと照れがあった。でも今回は「こんなの踊るしかない!!」って会場中の空気がひとつになっていた ああ なんだこれー 笑っちゃうくらい楽しくて仕方がない。目の前で繰り広げられる圧倒的な演奏のテンションとともに、会場中の熱もぐんぐん上がっていく。森岡さんは演奏放棄して完全にダンサー状態だし(笑)トバしにトバした10分弱、すっ、と3人の視線が達也さんに向けられると、達也さんが大きく腕をふりかぶる。全員がバキーンと"決め"の音をかき鳴らす。圧巻。
大きな拍手と歓声に包まれて、森岡さん、過去2回では見たことのない嬉しそうな表情で礼をひとつ、ケンケンと達也さんの兄弟のようなハグ、最後に企画者、達也さんと勝井さんが肩を組んではけていっても、フロアの興奮はおさまらないまま。あっというまの2時間だった。口々に、今日楽しすぎた!ヤバイ!って聞こえてきた。今日がはじめてだったり、1回目以来だったお友達のみんなも、今年ベスト5に入るね!と一緒に興奮してしまった。何度でも言える、最高に楽しい夜だった!!!!
ダーティ ヒート パーティ。パーティ?セッションでも、インプロでもない、これはパーティ!
なんてその名にふさわしい夜。
次は夏すぎを予定されている、と勝井さんが仰っていました。これ、ちょっとでも気になる方は、観にきてほしい。即興ライブって、あんまりなあ、って人でも、絶対、踊れる保障しますよ。