髭(HiGE) 1/8@LIQUIDROOM EBISU の レポではないこと

ギターを預け手ぶらの指揮者になった須藤さんが、愉快そうにドラム2台を指図する。僕はシューティングスター。ぐにゃりと波打ったサンプリング音の上に、星を降らせるような掛け合うスネア・ハイハット。顔を見合わせて音の強弱を楽しんでいるツインドラムの表情、不安を掻き立てる音を混ぜてくるギター。安定した演奏で地を支えるベース。「1mg」までは、この流れとても良いなあ、とおもったのだけども。
終演後、しばらくライブに関しての言葉が出なかった。名古屋では終わった直後に、興奮しながら今日は良かったねって連呼していました。もちろん、今日も"楽しかった"ということに変わりはないのだけれども、もやもやと残る物足りなさ、は、時間の所為だけではなかった気がするよ。リキッドルーム上手側階段の上から、髭をもう3回は観たけれど、こんなに、メンバーが大人しいのを初めて観た気がした。
〜ここからは勝手な想像と妄想です。後でまたまとめるかもしれない。
ライブレポ抜きで、先に言いたいことだけ言ってしまうと、今回のライブを観て 彼らが今、バンドの置かれている状況(とこの先)を危惧している ように感じてしまった。どんなにアウェイのときでさえ一点の迷いもなく自分達の色を貫き通して暴れまわったこの人たちも、ああ 迷うことがあるんだな、って思った。この1年で 想像もつかない位の人の目に触れて気に入られて聞かれて、フェスで"そういう売り方"をしているんだから、ピンポイント曲だけ盛り上がるとか、黄色い声だとか、そういうファンもつくわけで。全て今までと同じ、思い通りにはならない、こういう事態になる事を少しは予感していただろうか?客席との温度の差、最後までスキマを埋められないまま・不安を感じたままのライブになってしまうほどに。あれだけ絶賛してもらっていたスヌーザーに、自信作のアルバムを酷評されて揺れているのもあったかもしれない。「もうこのアルバムから演奏しなくて済むんだぜ」なんて、いつもの皮肉?
でも、おかしいことに、わたしはこの状況が嬉しくもあります。このバンド、ただのパーティ人間の集まりに見せかけて相当な知能犯の集まりだから、ここから下降してゆく なんて事には絶対にしないし、ならない。そして、これから魅せ方を確実に変えてくるし、演奏面もさらに力を上げてくるはずだから。これはいちファンの勝手な妄想だけれど、確信に近い。それが、楽しみでたまらないです。だってさ、もう新曲が素晴らしく好みで求めている音だったんですもの!あとはこの5人がどう観せて、鳴らしてくれるかだ。
AXワンマン、早いなあ…と驚いてしまったけども(やっても秋以降かと思っていました)広いステージと多くの照明で奇抜に染まるのが似合うから、早く観てみたいな。ちょっと前までこの状況に、自分も一寸戸惑っていたのだけども、ふっきれた。髭がさらに変化…進化、するきっかけと、その後を披露する舞台のタイミングが、今で良かった。
先行チケット、引き換えてきたらば600番台でした。前で見るつもりはなかったので、時間経ってからかけたんだけれども、そういえば去年3月のジャパンサーキット@AXで、あまりの髭ちゃんアウェイっぷりに途中たまらず前へ行き、必死に拳を上げて踊り狂ったことを思い出しました。…そうしようかな。