荒吐ヒゲ+ピロウズ追記
→髭(HiGE)
今までのフェスで一番、あ、売れる 売れてしまうかも そんな予感がした仙台の朝。
出てきて早々、鹿の角さながら巨大な木の枝を掲げながら嬉しそうに客席に投げる須藤さん。いや、それ、危ないから。危ないから。いつものようにポーズを取りながら何かを叫び、革ジャンを着てきたのに一瞬にして脱いでベースを持つ宮っtea。水色のスヌーピーラグランて、そのお腹が見えそうで見えないサイズって…もはや笑けてしまうくらい確信犯ね!ギター斉藤さん。須藤MCツッコミ担当変MC担当、パーカッションコテイスイ。笑顔とみつあみと安定した演奏担当、ドラムフィリポ。こんなヘンテコ5人ですが、あんな奇怪でハッピーでファニーでサイケなステージを生み出しちゃうんですよ。須藤さんったらUNITと大違いで調子良かったし、今日は全員楽しそうでさらに楽しかったなあ。きっと観ていたお客さんみんな楽しかったよね!(決め付けるか!)
白薔薇セッションでは、ボーカルの人、ドラム隊になにやら耳打ちして、バンマスのようにヒョヒョイと指図。その手を穴が開くほど凝視しながら音量を上げ下げするベース。くるくる回りながらゴキゲンにかきならすギター。コールアンドレスポンスで「みずうみ〜ィ」…って何だよ、もう、やりたい放題。「ママ’s理論」で弦楽器3人が、ステージ前方に並んで各自の独特奇妙奇怪な動き、でも音をずがーんと鳴らせばキマってしまうなんてさ。野外でダンスフーリガンと踊り狂う。それも彼らの計画通り、きっと笑ってる。そして、コテイスイがギルティーの合いの手でこっそり「アラバキ!」って言ったのを聴きのがさなかったよ。相変わらず「新橋から来ましたー」って陽気に言うんです。
そして、これは余談かしら。ギルティー最後に、宮っteaがいつも前に繰り出して弾くところで、ステージ下の警備で立っているバイト君に向かってベースのヘッドを向けたと思ったら、血管浮くぐらい物凄い、意味不明な本気の形相で腕を無駄にぷるぷるさせながら、もうまさに名づけるしかない『teaビーム』を繰り出していたのには、自分含む、前列のお客さん大爆笑でした。そして曲終了後「ふう…」という何かをやり遂げた表情!(結局バイト君気付かず)本気で宮っteaさんってば意味が分からない!なんだあれ!こんなに行裂いて説明するほどの事かと言うとそうでもないですが、持ってかれたよ…最近彼は、コラムと自のキャラが変わらなくなっている気がする(笑)
こんな、メチャクチャな事やってもはちゃめちゃに各自が動いても、とりあえず、地味に演奏が崩れない上に上手い所がずるいよな〜と思うところ。だから楽しいんだ。
どうする、髭が流行るとかそんな恐ろしい時代がくる予感を、そろそろ堂々と感じていいかもしれない。今年の夏はフェス出ずっぱり、あながち嘘じゃないかもしれないぜ。
白い薔薇が白い薔薇であるように/ブラッディ・マリー、気をつけろ!/髭は赤、ベートーヴェンは黒/王様はロバの言うとおり/ママ's理論/ダーティな世界/ギルティーは罪な奴
→the pillows
はたはたステージ大トリ。PA卓よりさらに後方で観ていい眺めだ。久しぶりに見た、ベージュに虹色線のポロシャツ・サングラスで出てきたさわおさんになんだかおかしくなりながら、上がる拳に、客席の境目はどこ?と言わんばかりに、物凄い人数が集まっている事にはっとしたよ。
アルバムメイン構成で、最初はフェス恒例(にしたくない)「この人酒飲んでるな…」て笑っちゃうようなボーカルとギター。さわお「今、雨降ってる?」シンちゃん「民生のせいです」というやりとりで笑いながら、本当だ、雨が降ってきたような気がする。と思ったら、いよいよ雨にうたえば、なステージに。
「ロックンロールを聴かせてやるよ」なんてMCだったかな。続いて「ROCK'N'ROLL SINNERS」恐らくステージが押していた関係で、ほぼ必要最低限のMCと、いつものチューニング待っている時間も惜しむように長く続く「MYFOOT」…異常にベースにブーストがかかって聴こえるステージで、余計にイントロにどきどきしてしまったよ。
「雨にその身を打たれて すり減るけどもう戻らないぜ」「雨も水溜りも気にしないぜ すぐに乾くんだ」偶然にも、そんな歌詞の曲達を鳴り響かせていると同時に、強まる雨と、なんだか最初のひどさを吹き飛ばす、ギターリフが胸を打つような、サードアイ。そして、ハイブリッドレインボウ。…聴いた事がない。こんなハイブリ。ゼップのそれ以上、ついでに言えば、ハイブリでここまで"キレている"さわおさんを観た事がない、とも感じた。ギターと唄の叫びと、間奏での動きと、雨の強さが比例するようだ。フェスやイベントって、もうちょっとオマヌケでMCもよっぱらいでわたし個人も、キビシイ評価をしちゃうはずなんだけれど佇まいも含め今日のピロウズは、すごく、…ゼップまで経て、今回のツアーで、ひとつ越えてしまった。自分達の位置を確立した、というか、何か悟ってしまった、ような感じがしたよ(カッコワライを付けるところです)そんな思い。
気付いたら雨なんだか涙なんだか、最近なんだかピロウズに涙腺緩ませられてばかりだ、おかしい。アンコールでちゃちゃっとWAITING AT THE BUSSTOPで飛び跳ねながら笑顔。うーん、凄く良かったです。最後あんなにびしょぬれでも関係ないくらいにさ。
はじめてハイブリをライブで聴いたよ、って喜んでくれた友達も、すごい良かった、なんでーって一緒に涙してくれた友達も、ゼップを一緒に参加して、感動してくれた友達も。ウィリーでも、テナー流れでプレデターズを聴いて、そこからピロウズの魅力にハマりましたと嬉しそうに話してくれた方にも。ピロウズの曲で、ライブで、感動してくれたりよかったり言ってくれるのは自分の事のように、本当に嬉しい。今のピロウズはその位のちからがあるんだよ…て ははー大絶賛でごめんなさい。
Dead Stock Paradise/空中レジスター/ROCK'N'ROLL SINNERS
Degeneration/MY FOOT/ONE LIFE/サードアイ/ハイブリッドレインボウ
EC:WAITING AT THE BUSSTOP
髭もピロウズもどちらも高らかにだいすきなバンドって言えるけども、そのベクトルが違いすぎるんだ。それこそさわおさんじゃないが「結婚して長年連れ添ったような熟年夫婦」を見ている感覚と、「浮気じゃないけどもーいま常に目にしてないと気がすまないわー追いかけちゃうわーあの人」って感覚の違い。…ど、どうなんだそりゃ!